私たちに今一番必要なのは「睡眠」

睡眠不足の健康リスクってなに?

睡眠不足の健康リスクってなに?

世界的に見ても日本人は睡眠時間が短い傾向にあり、人によっては「寝る時間がもったいない」という考えを持っています。しかし、多少の頭痛くらいなら問題ないなどと軽く考えていると、後に重大な病気を引き起こす可能性があります。実は、睡眠不足によってアルツハイマーや糖尿病、ガンにかかるリスクが高くなるという研究結果もあるのです。

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アルツハイマーになるかも

人間は睡眠中に身体の回復を行っています。老廃物や疲労を排出するためにも睡眠は非常に重要なのです。この、身体の中にある老廃物を排出するためにはリンパの働きが重要になります。
しかし、脳にはリンパが存在しません。代わりに、脳内にある脳脊髄液という液体が老廃物を吸収して血液に排出しています。そしてこの脳脊髄液は睡眠中にしか働きません。脳は日中常に活動しているので、睡眠中に一気に老廃物の排出を行うのです。そして脳の老廃物として代表的なのが「アミロイドβ」なのですが、このアミロイドβが睡眠不足によって脳に蓄積していくことで、アルツハイマーを引き起こす原因になると言われているのです。

糖尿病やガンのリスク

イギリスで行われた実験によると、睡眠時間が1時間少ないだけで糖尿病やガンの発病リスクが上がることがわかりました。実験では、被験者にはまず1日7時間30分の睡眠を1週間とってもらい、その後1日6時間30分に減らして同じく1週間過ごしてもらいました。そして、そのことによってどのような変化があったのかを検査したところ、睡眠時間を減らした方が糖尿病やガンに関する遺伝子が活発になっていることが判明したのです。

その他のリスク

その他にも睡眠不足による健康リスクはあります。まず、心臓病のリスクが高まります。睡眠不足は高血圧や動脈硬化にもつながりますので、結果的に心臓への負担が高まります。アメリカの大学が行った研究によると、睡眠時間が8時間以上の人に比べ、睡眠時間が5時間以下の人は1.45倍も心臓病になりやすいという結果になりました。
また、睡眠不足によってグレリンというホルモンが過剰に分泌されるようになります。グレリンは食欲の促進を助けるホルモンです。それに加えて食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が少なくなることにより、高カロリーな食事をとるようになります。その結果肥満になりやすくなり、生活習慣病を引き起こすリスクが上がるのです。
睡眠不足による分かりやすい症状としては記憶力の低下が挙げられます。人間は睡眠中に記憶の整理を行いますが、睡眠不足だとその整理が追い付かないまま新たな記憶が入ってくるため、記憶力が悪くなってきます。昨日何を食べたか思い出せない、物や人の名前がなかなか出てこないという症状が頻繁にあるようなら、重大な病気を引き起こす前に睡眠改善に努めるようにしましょう。